ロゴの失敗例4選!なぜ不評だった?
ロゴは、“とりあえず作れば良い”というものではありません。
いわば企業の“顔”といえる存在だからこそ、ひと目見ただけで、消費者に好印象を抱いてもらえるようなデザインが理想でしょう。
しかし時には、誠心誠意に製作したロゴが大不評を買うこともあります。
誰もが知る大手企業を例に、失敗から教訓を学んでいきましょう。
ロンドンオリンピックのロゴ

2012年、ロンドンでオリンピックが開催されました。
そのとき使われていたのが、ジグザグなデザインのロゴです。
五輪のマークこそ入っているものの、まるで統一性がないデザインに、周囲からは不満が続出。
「ナチス-ドイツで使われていたカギ十字に見える」「【Zion(ユダヤ教の聖地)】と読める」「アメリカのアニメ【ザ・シンプソンズ】に見える」など、さまざまな声が挙がったのです。
議論にはなったものの、ロゴは変更することなく使用されました。
多様な国で多様な立場の人が関心を寄せるオリンピックだからこそ、『誰もが好感を抱くデザインかどうか』をもう少し検討すべきだったかもしれませんね。
トロピカーナ

果汁100%のジュースで有名な、トロピカーナ。
2009年、オレンジジュースのパッケージのデザインを変更したものの、消費者からの不評により元に戻すことになりました。
大きくデザインされた果実や、鮮やかで踊るような書体の【Tropicana】が印象的でしたが、2009年の変更ではそれらをすべて排除。
パッケージにはグラスに入ったジュースが描かれ、【Tropicana】は小さくすっきりした書体で表記されています。
つまり、堂々としたデザインから、なんだか味気ないデザインへと変更されたのです。
トロピカーナの商品を愛飲してきた消費者たちは、「元に戻して」とクレーム。ジュースの品質はそのままでも、見た目(ロゴ)を変更するだけで消費者が戸惑ってしまったのです。
修正変更にともなう費用は、日本円でおよそ20億円。長い間世界中で愛された企業だからこそ、“現状維持”が求められていたのでしょう。
ペプシ

コーラで有名なペプシ。
赤と青が波打つようなデザインは、普段コーラを飲まない方でも印象強いでしょう。
2008年、このロゴは45度程度斜めに傾けられました。
なぜわざわざ斜めに……と感じますが、実はこの斜め具合には、風水、相対性理論、ダイナモ理論など数多くの意味が秘められているのです。
「消費者により魅力的に思ってもらうため」の変更で、かかった費用は日本円でおよそ1億円とされています。
それにも関わらず、「太った男性に見える」など消費者からは苦情が殺到。
人物を直接描いたわけではなくても、イメージの力は強力です。“見え方によってはこう見えることもあるのでは?”など、ロゴ決定前にはあらゆる角度から検証したほうが良いでしょう。
GAP

紺色の背景に、堂々と描かれた【GAP】の文字。
2010年、GAPのロゴは、白の背景に大文字と小文字が入り混じった【Gap】の書体へと大きく変更されました。
新ロゴの発表後、GAPのファンを中心にSNSが炎上。
20年以上定着したブランドロゴを一方的に変更されるのは、ブランドに愛着がある方ほど、やはりスムーズに受け入れるのは難しいのでしょう。
新ロゴの公表からおよそ一週間後、社長は「前のロゴを維持する」と決定しました。
長く親しまれてきたブランドだからこそ、ロゴも“そのまま”を望まれていたのですね。
まとめ
大手企業でも、ロゴによる失敗例は多数あります。
特に、知名度のあるブランドほど、ロゴの変更ひとつで大変な騒ぎとなることも……。
ロゴを製作する際には、消費者の目線に立って考えることが大切です。
デザインひとつで消費者からの好感度は大きく変わります。
消費者のニーズと自社のアピールポイントをうまくマッチさせて、誰からも愛されるロゴを製作しましょう。
ライティング:Citrus.