こんなロゴマークが印象に残る

 私達が商品を手に取ったり、街中を歩いた時に見かける店舗のロゴマーク。最近は企業も工夫を凝らした様々なデザインの物を見かけます。

 一際目を惹くロゴマークは、可愛らしかったりカッコ良かったり。デザイン性に特徴がある物が多いです。こうなると、文字だけの看板はなぜか殺風景に感じて目立ちません。


 先日、バスタオルやハンカチを新調しようと選んだのが、今治タオル。ここのタオルは肌触りが良くて、以前からお気に入りのブランドの1つです。 使ったことがある方ならお分かりかもしれませんが、こちらのタオル、商品に可愛らしいロゴが縫い付けてあります。一目でこちらのブランドだと分かるロゴマーク。上部が赤地に白い丸。その下が青い横線が3本。「太陽と海」ということがはっきりと分かります。


 この今治タオルの生産地は、愛媛県今治市。近くには、四国と本州の尾道を結ぶ「しまなみ海道」があります。瀬戸内海には大小700近くの島があり、とても風光明媚な景色が見られる場所です。
 そんな土地柄を表して作られたのが、今治タオルのロゴマーク。シンプルながらも日本らしいデザインがが施され、産地や品質はもちろん、お客様に対する強い想いも考えて作られています。

 この地域は、130年近く前からタオルの生産を始めたとのこと。近年、ブランディング戦略が行われる前から素晴らしい品質のタオルを生産し、世界的にも大きな評価を得ていました。


 しかし、ブランディング戦略が行われる前までは知名度がなく、産地まで知る人は少なかったようです。素晴らしい産業があるのにも関わらず、世に知れ渡らないことは、地方の難点でもあります。 このままでは、せっかくの素晴らしい商品も地元だけに留まってしまう。ということで、ブランディング戦略の一環でロゴマークが作られました。

 赤、青、白と3色のデザインで作られたロゴマークには、色自体に意味合いがあります。赤は、「今治タオルが世界から注目を集め、地元の関係者からの熱い想いや情熱」。青は、「これまでの今治タオルの歴史や品質、安全性」。そして、白は「タオルの質感やお客様に対する誠実な想い」。こういった理由が込められています。
 正直、たまたま目にしたロゴマークにこんな熱い想いと歴史があったとは知らなかったです。きっとロゴマークがなければ、企業の歴史や商品に対する想いまで調べなかったかもしれません。


 最後に、企業の歴史は、商品やサービスに色濃く現れます。その歴史の特徴を捉え、センス良く作られたロゴマークこそ印象に残ります。私は見事に今治タオルのロゴマーク、ワンポイント的な可愛さにはまってしまいました。

WEBライター:卯月