今熱いクリエイティブディレクター

最近、メディアでよく見かけるクリエイティブディレクターといえば、佐藤可士和氏です。
国立新美術館で開催された「佐藤可士和展」が大盛況だったようです。
先日、テレビ東京系のカンブリア宮殿にて取り上げられていて、目が釘付けに。突出したアイデアが生まれる一方、一流であるが故の人知れぬ葛藤や苦労が垣間見えました。
オフィスの危機改革として仕事を引き受ける可士和氏。クライアント自身もすがる思いで頼ってくることでしょう。そこはピシャリと、「可士和マジックではなく、企業が運営していくという気持ちが大切。何とかしてくれると思っても違う。じゃないとブランディング出来ない。」と。
私も過去に、何でも「お任せで。」とお願いされる方がいました。きっと、頼む方はお任せなら楽でしょう。しかし、任された側としては、相手側のある程度の信念やベースが感じられないとアイデアも思い浮かばないものです。そんな私の経験と可士和氏では雲泥の差があるでしょうが、きっとこんな思いをされていたのかな?とふと思ってしまいました。
各企業のロゴ作りの依頼も引き受ける可士和氏ですが、番組では三井物産の伝統あるロゴのリニューアルを手掛けられた様子が紹介されていました。現代のニーズに合わせ、スマホ画面でも美しく見えるように細部までこだわられたそうです。私ならそこまで目が行き届いていたでしょうか?きっとデザイン性にばかり気を取られるかもしれません。
何事も新しく変化させていくのは勇気がいります。特に守り続けられた伝統は、改革も大変だったことでしょう。
可士和氏はシンプルなデザインのロゴが多く、批判や失敗も多かったようです。衝撃的だったのが、「あんなロゴなら誰でも出来る。」と言った人達がいることです。そこは可士和氏。「誰が見ても頭に入るから。」と、見事に褒め言葉として捉えられているところが成功者の思考でしょう。
番組中で、「変わる。変える。世界中の企業に必要。」と言った可士和氏の言葉に、今まで迷いながらも変えてきた出来事に対して勇気を与えられました。
最近は、隈研吾氏と共に団地を再生するプロジェクトに取り組んでいらっしゃいます。築50年近くの老朽化した団地がおしゃれに生まれ変わる様が面白いです。これも隈研吾氏の熱い想いから考えられたとか。
このコーナーでお話しされていたのが「ロゴが重要。」という事です。「団地の未来」として再生するプロジェクトで発せられたロゴの重要性は、企業の未来にも通じます。
久しぶりに素晴らしい番組を見ました。
ロゴをお考えの方にも、作成するまでの自身の企業に対しての見方や向き合い方を考えさせられるかもしれません。

ライティング/卯月